2013年7月3日水曜日

DESPERADO



風来坊のギャングに、カミソリ族たちがナイフで度胸試しを迫る。

だがヤツは


「ブレーキの無い車で断崖絶壁へと突っ走るチキンレースならイイぜ」


と言いやがった。

「お前らの中に、1人で俺と勝負できるヤツがいるのかよ」

「お前らに、血の味のスリルを味合わせてやるよ」



その時、カミソリ族のリーダーと思しき男が前に出て

「俺はナイフで切り合って負けたことはねえんだ」

と言ってナイフを抜いた。


風来坊は、

「どうやら言葉は通用しないらしいな」

と言って、体を軽く浮かせた。


「言葉が通用しないなら、どうしようってんだ!」



真空



「いぃっ痛ってえぇぇぇ!」


刺す


地獄


「ちっ!きしょおぉぉ!」


刺す


閃光の激痛


地獄


真っ赤な血、血、血。


激痛だけが甘い


地獄


地獄、地獄、地獄。


スリルのリンチ



刺されたのはカミソリ族だった。


風来坊は言った

「どうだ?小僧、こんな事なら断崖絶壁から紺碧の海へ

真っ逆さまにダイブした方が良くはなかったか?」



「そうすれば、人魚に会えるぜ」





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